<退行期>
<休止期>
以上から解るように、『成長期』が短くなると、髪が長く太くなりきれず細いまま抜けてしまい、抜け毛の本数も増えていきます。更に状態が悪くなると『休止期』のまま『成長期』に移行せず、髪が生えてこなくなってしまうのです。
AGAとは、
『Androgenetic Alopecia』の略で、日本語では『男性型脱毛症』といいます。
『男性型』というように男性にのみ当てはまる病名であり、原因となるのは『ジヒドロテストステロン(DHT)』という強い脱毛作用のある男性ホルモンとなります。
この『ジヒドロテストステロン(DHT)』は、元は『テストステロン』という無害な男性ホルモンです。しかし、加齢や生活習慣などにより『テストステロン』が減少すると、『5-αリダクターゼ』という酵素が働き、『ジヒドロテストステロン(DHT)』に変化させてしまうのです。
この『ジヒドロテストステロン(DHT)』が『ヘアサイクル』の成長期を短くして、髪の毛が長く太く成長する前に抜けるようにしているのです。
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≪ジヒドロテストステロン(DHT)
と5-αリダクターゼ≫
髪は、2~6年ごとに新しい髪が生えては自然に抜け落ち、抜け落ちたところからまた生えてきます。1本の毛髪が成長しはじめてから抜け落ちるまでの周期を『ヘアサイクル』といい、3つの『成長期』『退行期』『休止期』のサイクルからなっています。
以上から解るように、『成長期』が短くなると、髪が長く太くなりきれず細いまま抜けてしまい、抜け毛の本数も増えていきます。更に状態が悪くなると『休止期』のまま『成長期』に移行せず、髪が生えてこなくなってしまうのです。
AGA脱毛の進行パターンは、頭頂部や額の生え際、もしくは両方からだったりと図のように様々なパターンがあります。時間の経過とともに進行してしまうので、早めの治療が望ましいと言えます。また、毛根細胞が機能しなくなってしまった場合は、限られた対応しかできなくなってしまうのも注意点となります。
Norwood O T. South Med J 1975; 68(11): 1359-1365より作図