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AGA・ハゲに効く内服薬の種類と効果

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AGAの治療に使われる内服薬として現在有効な成分は、発毛成分の『ミノキシジル』と、抜け毛に作用する『フィナステリド』『デュタステリド』の2種類になります。この成分を使用して国内外の各社が内服薬を製造している為、ジェネリックを含め多数の薬の名前で販売されています。

 

発毛成分  ⇒血行を促進し、髪の毛を生やす
抜け毛に作用⇒抜け毛の原因物質(DHT)を抑制

 

・ミノキシジル系
代表薬:ミノキシジルタブレット

フィナステリド系
代表薬:プロペシア

デュタステリド系
代表薬:ザガーロ

 

それぞれの特徴についてみていきましょう。

 

ミノキシジルについて

1960年代にアップジョン社(現在のファイザー)が高血圧症の内服薬として、血管を拡げて血圧を下げる為に『ロテニン』を開発しました。その評価試験において、被験者の何人かに『多毛』の副作用が見られたことをきっかけに、1980年代にアップジョン薄毛や脱毛症の治療用として2%のミノキシジル外用溶液を『Rogaine(ロゲイン)』として販売を始めました。

日本では、副作用の危険性から(降圧薬としても)医療用医薬品として認可されていません。ただし、外用薬は副作用のリスクが低いとされ、日本でも一般用医薬品として大正製薬からリアップシリーズが市販されています。

AGAの治療としては、頭皮に直接塗って使う外用薬や内服薬があります。内服薬は日本ではAGA治療薬として認められていないのですが、一部のAGA治療を行うクリニックなどで取り扱っており、処方してもらうことが可能です。

 

ミノキシジルの効果

発毛促進効果があります。外用薬と内服薬では、内服薬の方が成分の浸透率が高く、外用薬よりも高い発毛効果を発揮します。

・血行の促進

毛細血管を広げて血行を促進させることで、髪の細胞に栄養がたくさん届くようになり、髪が育ちやすくなります。

・毛母細胞の活性化

毛母細胞とは、髪の毛を生やすために非常に重要な細胞で、これが細胞分裂をくり返すことで新しい髪を生成します。この毛母細胞の働きを活性化させることで、新しい毛が作られやすくなります。

ミノキシジルの副作用

外用薬と内服薬で、副作用やその程度に違いがあります。主な副作用の報告は以下となります。

・血圧低下
・めまい、動悸、息切れ
・多毛症
・吐き気、嘔吐、腹痛
・むくみ
・性欲減退
・霞み目
・頭痛
・手足のしびれ
・性的不能
・胸の痛み
・動悸・不整脈
・体重の増加
・手足・顔のむくみ

これらの症状が見られたら、ただちに使用をやめて医師の診断を受けることが薦められています。

外用薬の副作用

外用薬は直接頭皮に塗るので、痒みやかぶれが報告されています。稀に、外用薬が体内に異常を起こすことがありますが、多毛症や動機などの副作用のリスクは内服薬に比べてごくわずかとなります。 また、ミノキシジルが頭皮以外の部位に触れると、ニキビやカユミ・肌荒れの原因になることがあります。肌が弱い人や頭皮にデキモノや湿疹がある時の使用は特に注意が必要です。

内服薬の副作用

内服薬の場合、成分が血液に入って全身に流れる為、体中の毛母細胞に発毛を促進する作用が働き、体中の毛を濃くする多毛症の報告が最も多く、血圧低下による手足の冷え、痺れ、動悸、頭痛やめまい、むくみが多く報告されています。

心臓や肝臓に疾患のある方は、医師に相談の上服用するようにしましょう。

 

ミノキシジルの注意点

『ミノキシジル』は、抜け毛を防止する効果はありません。発毛効果はあっても抜け毛の異常がある場合には、他の治療薬やAGA治療薬を使用する必要があります。

また、ミノキシジルタブレットを個人輸入などで購入することはできますが、重篤な副作用が起きた場合でも、国の『医薬品副作用被害救済制度』を受けることはできないので、注意が必要です。

 

ミノキシジル系治療薬の種類と価格

ミノキシジル外用薬

・リアップシリーズ
ミノキシジル1~5%:3,500〜9,500円

・ロゲイン
5%液状&泡タイプ:3,000〜6,000円

・カークランド
5%液状&泡タイプ:2,000〜4,500円

・フォリックス
ミノキシジル5~16%:3,500〜8,000円

・アクタビス
ミノキシジル5%:2,200〜3,000円

リアップ以外はすべて海外製品となりますので、副作用リスクや安全面等が不安な方はリアップをおすすめすします。

個人輸入で入手できるミノキシジルタブレット

●クリニックで処方されるミノキシジルタブレット
5mg錠:約4,000〜8,000円(28〜30日分)
10mg錠:約5,000〜10,000円(28〜30日分)

・ミノキシジルタブレット(ミノタブ)
2.5mg:2,300~4,000円(100錠)
5mg :1,800円〜4,000円(100錠)
10mg:1,900円〜6,000円(100錠)

フィナステリドについて

元々この成分が使用されていたのは『プロスカー』と呼ばれる前立腺肥大症を治療する薬でした。この薬を使用している患者に、多毛症の副作用が発生することを発見し、薄毛の治療薬としてアメリカの大手製薬会社であるメルク社が抗アンドロゲン薬として『プロペシア』を開発しました(特許2019年まで)。

1997年にFDA(アメリカ食品医薬品局)で、AGA治療薬『プロペシア』として正式に認可され、日本でも2005年に厚生労働省がAGA治療薬として『プロペシア』を承認しました。

現在は、『フィナステリド』を主成分とするジェネリックAGA治療薬が、いくつか認可を受けています。

プロペシア

 

フィナステリドの効果

男性ホルモンが原因である、薄毛治療として使用されます。

AGAは、男性ホルモンの『テストステロン』『5-αリダクターゼ』という還元酵素の働きにより、ジヒドロテストステロン(DHT)』という脱毛原因物質に変化させてしまうことで発生します。『フィナステリド』は、この『5-αリダクターゼ』の働きを抑制する効果があります。

前頭部や頭頂部には『2型』の5α-リダクターゼが多く存在する為、おでこの生え際とてっぺんからAGAが進行します。この『2型の5α-リダクターゼ』の働きを阻害するのが、『フィナステリド』の作用です。

『2型5αリダクターゼ』は、『1型5αリダクターゼ』よりもジヒドロテストステロン(DHT)』を作る作用が強力であり、体内で作られるジヒドロテストステロン(DHT)』60~70%が『2型5αリダクターゼ』が原因となっています。

上記より、『2型5αリダクターゼ』の働きを抑制することが、AGAの治療において重要であることが解ります。

 

 

『2型の5α-リダクターゼ』の働きを抑え込む

ジヒドロテストステロン(DHT)』ができない
 ⇩
AGAによる抜け毛を抑制

 

 

海外で実施された臨床試験では、3年間で98%のAGA患者に抜け毛予防効果が確認されました。また、国内の臨床試験においても半年間で48%、1年間で58%、3年間で78%の患者に効果が見られたと報告されています。ただ、近年ごく稀に『フィナステリド』に対抗性をもつ遺伝子を持っている方がいることが判ってきました。この対抗性の遺伝子を持っている場合には、『フィナステリド』を投与しても効果が現れないことがあります。『フィナステリド』が効くかどうかは、遺伝子検査によって診断することができるので、遺伝子検査を実施してみることをおすすめします。
↓遺伝子検査についてはコチラ

フィナステリドの副作用

『フィナステリド』は、元々の前立腺肥大症の治療薬『プロスカー』には5mgの用量でしたが、AGA治療薬では0.5~1mgの用量と少ないため、副作用の発症率は低いとされています。

5%程度の方に、頭皮の湿疹や痒み、めまいや吐き気、腹痛などになります。これは、男性ホルモンのバランスの変化に伴うものが多いようです。

1%程度の方に、性機能障害、ED、性欲減退、精子の減少など性に関係する症状になります。

発生すると最も危険な症状が、意識の混濁、肝機能障害になりますので、異常を感じた場合は直ちに使用を中止して医師に相談してください。

 

薄毛治療薬で、効果の異なる発毛効果を高める『ミノキシジル』との併用が可能で、相乗効果でより高い発毛効果となることが期待できます。 

フィナステリドの注意点

フィナステリド系医薬品も薬なので、服用に際しいくつかの注意点があります。

前立腺肥大症の見落としの恐れ

前立腺疾患の検査では、体内のPSA(前立腺がんの特異抗原を示す値)という値をから疾患の有無を診断しますが、フィナステリド系医薬品を服用すると、PSAの値が半分程度に低下してしまいます。そのため、フィナステリド系医薬品を服用しながら前立腺疾患の検査を受けた場合、本来高い値であるにも関わらず低い値で計測されることになってしまう為、前立腺肥大症や前立腺がんが発見できない場合があります。

前立腺疾患で受診する際は、必ず医師にフィナステリド系医薬品を服用していることを伝えましょう。

 

女性の使用は厳禁

フィナステリド系医薬品は成人男性用の医薬品とされており、未成年者や女性は原則として使用することができません。

妊娠中や授乳中の女性は、赤ちゃんに悪影響を与える危険性がある為、特に注意が必要です。皮膚から成分が吸収される為、薬剤に触れるのも禁じられています。

献血もNG

薬を服用している間は血中に成分が残っている為、献血する場合は服用を中止してから1ヶ月の期間を開けて行うようにしましょう。

 

 

 

フィナステリド系治療薬の種類と価格

プロペシア

1mg錠 7000円~9000円/月

アメリカのメルク社が開発した、最初のフィナステリド錠です。日本でも最初に認可を受けたフィナステリド錠となります。『デュタステリド』の登場で、価格は安くなってきています。また、特許の切れる2019年以降は、更に安くなる見込みです。

※ 購入には医師の処方が必要で、市販されていません。

プロペシアのジェネリック薬

ジェネリック薬イメージ
1mg錠 6000円~7000円/月

『プロペシア』と同じ製法で作られており、効果は同じでも価格が少し安くなっています。 日本でAGA治療薬としての認可を受けています。

・ファイザー(ファイザー製薬)
・サワイ(沢井製薬)
・クラシエ(クラシエ)
・トーワ(東和薬品)

※ 購入には医師の処方が必要で、市販されていません。

個人輸入で入手できるフィナステリド錠

医薬品「特許」の及ばない国で製造された、『プロペシア』の製法を真似て製造された医薬品です。日本国内での認可はされていませんが、驚くほど安く購入できます。

1000円程度~ /月

・フィンペシア(Cipla)
・エフペシア(Cipla)
・フィナロイド(MSD)
・フィナロ(Intas Pharmaceuticals Ltd)
・フィナバルド(East West Pharma) 等

 

実は、『プロペシア』も個人輸入でき、病院で処方してもらうよりも安く購入できます。

5000円程度/月

 

↓個人輸入品の購入方法についてはコチラ
≪AGA治療薬の安価な購入方法≫

 

デュタステリドについて

元々この成分が使用されていたのは『アボダート(日本ではアボルブ)』と呼ばれる前立腺肥大症を治療する薬でした。『デュタステリド』『フィナステリド』と同様に、AGAにも効果があることが分かった為、イギリスの製薬メーカーのグラクソ・スミスクライン社が抗アンドロゲン薬の一つとして開発しました。

日本でも2015年に『ザガーロ』という名前で、AGA治療薬として厚生労働省の認可を受けています。

ザガーロ

 

デュタステリドの効果

『デュタステリド』『フィナステリド』と同様に、『5α-リダクターゼ』の働きを抑制します。

『フィナステリド』『2型5α-リダクターゼ』にしか作用しないのに対し、『デュタステリド』『1型、2型5αリダクターゼ』両方の働きを抑制できるのが大きな特徴です。

 

『フィナステリド』でも記述しましたが、『2型5αリダクターゼ』は、『1型5αリダクターゼ』よりもジヒドロテストステロン(DHT)』を作る作用が強力であり、体内で作られるジヒドロテストステロン(DHT)』60~70%が『2型5αリダクターゼ』が原因となっています。ということは、残りの30~40%については『1型5αリダクターゼ』によって作られているということになります。

上記より、AGAの治療は『2型5αリダクターゼ』だけでなく、『1型5αリダクターゼ』の働きも抑えた方が効果がでやすいことが解ります。また、『2型5αリダクターゼ』の抑制効果も、『フィナステリド』の3倍程あり、2.5mg用量で行った臨床試験では、『フィナステリド』の1.5倍の増毛効果が確認されています。

 

自分のAGAが、どの程度『1型5αリダクターゼ』の影響を受けているかの判断は難しいですが、『フィナステリド』を服用してもなかなか効果が得られないというような場合でも、『デュタステリド』を服用することで治療できることがあります。

 

5-αリダクターゼについてはコチラ

 

 

デュタステリドの副作用

『フィナステリド』と同様に、性欲減退や勃起不全、精子の減少などの他、頭痛や下痢などを引き起こす可能性があります。『デュタステリド』の強い作用の裏側には、『フィナステリド』よりも副作用のリスクが高いことを理解し、使用に際しては十分に注意を払う必要があります

 

国内で実施された、120例の『デュタステリド』長期投与試験では13例(11%)で勃起不全、10例(8%)で性欲減退、5例(4%)で射精障害が報告されています。これから、お子さんを持つことを希望されている方は、『フィナステリド』から始めることをおすすめします。

『フィナステリド』同様に、何か異常を感じた場合は直ちに使用を中止して医師に相談してください。

 

『デュタステリド』も、薄毛治療薬で効果の異なる発毛効果を高めるミノキシジルとの併用が可能で、相乗効果でより高い発毛効果となることが期待できます。 

デュタステリドの注意点

『デュタステリド』も注意点は『フィナステリド』と同様です。

 

前立腺肥大症の見落としの恐れ

前立腺疾患の検査では、体内のPSA(前立腺がんの特異抗原を示す値)という値をから疾患の有無を診断しますが、フィナステリド系と同様にデュタステリド系医薬品も服用すると、PSAの値が半分程度に低下してしまいます。そのため、服用しながら前立腺疾患の検査を受けた場合、本来高い値であるにも関わらず低い値で計測されることになってしまう為、前立腺肥大症や前立腺がんが発見できない場合があります。

前立腺疾患で受診する際は、必ず医師にデュタステリド系医薬品を服用していることを伝えましょう。

 

女性の使用は厳禁

フィナステリド系と同様にデュタステリド系医薬品も成人男性用の医薬品とされており、未成年者や女性は原則として使用することができません。

妊娠中や授乳中の女性は、赤ちゃんに悪影響を与える危険性がある為、特に注意が必要です。皮膚から成分が吸収される為、薬剤に触れるのも禁じられています。

献血もNG

薬を服用している間は血中に成分が残っている為、献血する場合は服用を中止してから半年の期間を開けて行うようにしましょう。

 

デュタステリドの種類と価格

ザガーロ

0.5mg 6000円~8000円/月

グラクソ・スミスクライン社が開発した、最初のデュタステリドです。まだジェネリックはありません。

 

個人輸入で入手できるデュタステリド錠

医薬品「特許」の及ばない国で製造された、ザガーロの製法を真似て製造された医薬品です。日本国内での認可はされていませんが、驚くほど安く購入できます。

1500円程度~ /月

・デュタボルブ(Lloyd Laboratories Inc.)
・ベルトリド(Intas Pharmaceuticals Ltd)
・デュタス(Dr.Reddys laboractories)
・デュブロスト(Cipla社)
・デュタプロス(Kocak FARMA ilac ve Kimya Sanayi A.S.)

 

↓個人輸入品の購入方法についてはコチラ
≪AGA治療薬の安価な購入方法≫

初期脱毛

服用から2週間〜数ヶ月の間に、脱毛が多くなる症状が現れる事があります。
これは、既にヘアサイクルが休止期を迎えている髪の毛が抜け落ちることで発生している脱毛で、新しい髪の毛が生えるための準備段階となります。

ヘアサイクルイメージ図

新しい髪の毛を生やすための『必要な脱毛』なので、薬の効果がしっかり効いてきている証拠と捉えましょう。一時的に薄毛が進行することで不安になりますが(実際に私もかなり不安になりました⇒自宅で発毛体験記(1ヶ月経過))、その後1~2ヶ月程度で元の状態程度に回復し、使用後3~6か月でさらに多くの毛が生えて、やがて薄毛の卒業となることを希望に乗り切りましょう!

 

↓個人輸入品での治療の経過はコチラ
≪自宅で発毛体験記≫

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